2010年01月16日

サウスバウンド 上

サウスバウンド 上 (角川文庫 お 56-1)サウスバウンド 上 (角川文庫 お 56-1)

角川書店 2007-08
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小学校6年生になった長男の僕の名前は二郎。父の名前は一郎。誰が聞いても変わってるという。父が会社員だったことはない。物心ついた頃からたいてい家にいる。父親とはそういうものだと思っていたら、小学生になって級友ができ、よその家はそうではないことを知った。父は昔、過激派とかいうのだったらしく、今でも騒動ばかり起こして、僕たち家族を困らせるのだが…。―2006年本屋大賞第2位にランキングした大傑作長編小説。





青春より青い。

基本的に上下巻作品はまとめて感想書くのですがサウスバウンドは長くなりそうなので分けます。
現段階では下巻読んでません。
そんなサウスバウンド 上の感想です。

面白かったです。
大人の世界に子供が入れないように
子供の世界に大人ははいれない。
アキラおじさんのようなゲストはあっても
子供のことは子供でしか解決できないのだ、というスタンスの物語が
とてもよかったです。
脅されて何もできない悔しさ。
ちょっと大人に近い子供に頼んでもどうにもならなかった無力感。
仲良くなったと思った友達は簡単に裏切るし。
解決の糸口なんか見つからないけど
でも不良中学生をやっつけることができた。
ただ暴力でやっつけたんじゃない友情でやっけたんだ。
この一連に流れにドキドキさせられっぱなしでした。
不条理に屈しそうで屈しないようなバランスに引き込まれました。
凄い楽しめました。
芋虫は蝶になると時にさなぎの中でいったんどろどろになって体を再構築
するという話を聞いたことがありますが
人間も何かどろどろにして再構築してるんじゃね?ってぐらい
変わってしまうからな。
芋虫は長いストローで蜜を吸う感覚なんか分らないだろうし
蝶は葉の食べ方なんか覚えていないだろうよ。
大人は分らない子供も分らない。
そこがサウスバウンドの面白いところでした。

物語としては面白かったのですが
大人たちの言葉はうなずけないものが多かったな。
一郎の言葉は私の価値観もに合うものもあったのですが
大半がねーよ、という理論でした。
両親が日本人で日本で生まれたら自動的に日本人になるのはおかしいっていうのは
なんだか変な話だなぁ。
おかんに「俺、ここの子止めるから。別にあんたの子供になりたかったわけじゃないし」って
いっているようなものじゃないか。
んなこと言っても日本人だっつーの。
生まれはどうにもできないだろ。
こればっかりは誰のせいでもないから。
そんなに日本が嫌ならアメリカ人にでもなって自由に生きろ。
あっちで革命していらしゃい。
一郎にそんなこといったらやれアメリカは嫌だの
たとえ話で誤魔化してんじゃねーよとか言われそうですけど。
でもたとえ話になってしまうのは仕方が無いですよ。
人は他人とは分かり合えない生き物ですから。
ほとんど同じ遺伝子でも二郎と桃子は考え方が違うし
さくらの親だって彼女を理解できなかった。
血の通っている人間同士でさえ考え方が違う。
物理的に遠い人間、立場が違う人間、それぞれの生き方があって
別々の価値観を持っている。
分らないことを少しでも分るためには
自分の分る言葉で砕いて飲み込まなくては理解できません。
例えというのはこちら側の反射みたいなもので
理解しようという無意識の行動のひとつです。
南先生もこの性質により一郎はに打ち負かされたのだと思います。
南先生は理解しようとする。
でも一郎が求めているのは闘争、戦いであって
語り合いではない。
論争であって攻撃でもあるわけです。
一郎は攻撃だと思ってい言葉を吐く。
正しさは自分にあると信じている。
南先生だって自分は少なくとも間違ってはいないと思っていたでしょう。
南先生の語りあえば何とかなるだろう気持ちは完全に現実とはずれて
それでギブアップしたんだろうなと思います。
意見のすり合わせをしようと試みているのに相手はそんなつもりは無い。
人の話は聞かない大声で怒鳴る自分の家中心に考える。
一郎はモンスターペアレンツそのものなわけです。
南先生が折れるのも仕方が無い話ですよ。

「それは学校の洗脳だ!国が洗脳しているんだ!!」
だって?大きなお世話だ。
一郎だってさくらだって誰かに洗脳させてないって自信を持って言えるのか?
みんな洗脳されているようなもんじゃん。
好きな音楽に洗脳され好きな漫画に洗脳され
学校に洗脳され会社に洗脳され
それの何が悪いんだ。

「会社に行く人生なんかたいした価値ない」だって?
うっせぇ!てめぇは世界の中心じゃない。
私も世界の中心じゃないけどな。

価値があるかどうかは本人が決めるし
実際その職の人の生き方を否定するのは良くない。
昔さくらは「会社に行かない人生なんかたいした価値ない」って
言われているようなきがする。
あのばーちゃんならな。
そこで「会社に行こうが行かまいが価値のある人生が送れる」じゃなくて
「会社に行く人生なんかたいした価値ない」になるのが
らしいよなぁ。
多分会社に行かない人生分しか体験して無いじゃん。
ほんとお前ら日本国にお似合いだよ。
決め付けと押し付けの典型的な大人。
思想は違えどもおんなじ人間なんだよな。
そういう滑稽さサウスバウンドの大人たちにある。

次巻に続く。

posted by 安藤 at 13:23| Comment(2) | 角川書店 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
下巻はいつになりますか?
Posted by ファイアーゴブレス at 2011年08月09日 10:46
Posted by 安藤(管理人) at 2011年08月09日 21:27
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