2011年09月17日

MOMENT

MOMENT (集英社文庫)MOMENT (集英社文庫)
本多 孝好

集英社 2005-09-16
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死ぬ前にひとつ願いが叶うとしたら…。
病院でバイトをする大学生の「僕」。
ある末期患者の願いを叶えた事から、彼の元には患者たちの最後の願いが寄せられるようになる。
恋心、家族への愛、死に対する恐怖、そして癒えることのない深い悲しみ。
願いに込められた命の真実に彼の心は揺れ動く。ひとは人生の終わりに誰を想い、何を願うのか。
そこにある小さいけれど確かな希望―。静かに胸を打つ物語。





森野がかわいい。以上だ!

冗談です。
森野以外もあります。
まさか筋肉もりもり森野がこんなにかわいいとは…
やっぱ女子はかわいいよな。
本多孝好は美女じゃないのにかわいい女性が書ける作家だとは思ってなかったので新鮮でした。
思ったより凄い人なのかもしれない。

なんか既視感のある文章だな、と思ったら
「真夜中の五分前」の作者でした。
ライトノベルをまったく読まない(つーか存在も知らん)友人と
なにも話すことがなかったので本多孝好と村上春樹の話をしたことがあります。
安藤「真夜中の五分前って本前に読んで結構面白かった。でも村上春樹に似てるよね」
友K「似てる(笑)特に最近似てるんだよね。前は全然春樹じゃなかったのに。春樹似じゃないほうが良いと思うのに」
そんな感じで「MOMENT」もやっぱり春樹っぽい。
「真夜中の五分前」は割と春樹っぽい世界でかなり春樹っぽいキャラクターがまあまあ春樹っぽい展開な物語なのですが
「MOMENT」はそこまで春樹していない。
かなり春樹っぽいキャラクターが全然春樹っぽくない世界で割りとごくごく普通の展開。
そんなストーリー。
村上春樹のキャラクターは中二心をくすぐるカッコイイキャラクターなのですが
あのキャラクターにぴったり合った世界観を用意しないとすべっちゃう。
なんだか締まらない物語「MOMENT」。
死に行く患者たち限定で願いを叶える仕事人がかっこつけて依頼人に一本取られるお話。
そうだよなぁ…かっこつけていても普通はうまく行かないもんだよなあ、と思いました。
ラスボス的キャラクター五十嵐が「その人の都合のいいところだけ付き合っていくことは出来ない」
「もっと人と向き合ったほうがいい」
とかなんとか言っていましたが、まあそういうことなんだと思います。
世界は春樹のようには行かない。
他人はそんなに気持ちよくかっこいいままにしてくれない。
本気で付き合って空回ったり、騙されたり。いいように利用されたり。
そんなださいところが良いと思いました。

「その人の都合のいいところだけ付き合っていくことは出来ない」、
最終的に五十嵐も主人公の神田もそういう風に生きることにしたはずなのに
二人とも違う結末を選ぼうとしたのは物の見方が違うからなんだろう。
向き合って、それでも殺す。
向き合って、それでも殺さない。
安藤は神田のほうがいいな。
有馬で言えば
有馬の人生なんだから有馬の好きにしていいだろうし
奥さん人生なんだからのしたいようにしていいだろうし
子供の将来のことを考えたら父親の記憶なんてないほうがいいのかもしれないけど
肝心の子供がどうしたいか聞いてないし
当然子供には父親のことを覚える権利があるのだと思います。
それよりは効力は弱いだろうけど神田にだって
神田の人生なんだから有馬の死を止める権利があるとおもう。
きっと死ぬか生きるか、二つの選択なら五十嵐のように
すぱっと殺してしまうのがベストなんだと思います。
無為に死ぬのを待つだけだなんて残酷すぎる。
でも神田の仕事人はなんでも一つ願いを叶えてくれる。
生きる糧や、悔いを一つだけ消し去ってくれる。
五十嵐はそれだけ意味のある時間を故意に奪った。
きっと五十嵐は医者だからそういう仕事人の時間しかとれなかっただろうから
彼なりに自分が出来る範囲の「がんばり」だったのかもしれない。
五十嵐や神田自身が頑張らなくても患者達に少しでも時間があれば
家族や友人や誰かが「もっとその人と向き合って」くれるかもしれない。
五十嵐が最終的に敗北したのは向き合うというのは
人から死にたいという本音だけを聞くんじゃなくて
他の本音も聞き逃さないようにしたほうがいいということなのだと思います。
人はきっと欲張りだから本気で死にたくても
生きたいって思っているものなのだと思います。
人と向き合うつもりなら両方聞いておいたほうがいい。
五十嵐は自分の言葉に負けたようです。

面白かったです。
本多孝好、また読みたい。








posted by 安藤 at 21:59| Comment(0) | TrackBack(1) | 集英社 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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最期の願い
Excerpt: 小説「MOMENT」を読みました。 著者は 本多 孝好 病院でバイトをしている男 彼は 末期患者の最期の願いを叶える・・・ 一見 感動路線かと思うが そうではなくて 哀しく 深い ストーリー ..
Weblog: 笑う学生の生活
Tracked: 2011-10-30 23:05
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