2013年08月11日

おかしなジパング図版帖

おかしなジパング図版帖 -モンタヌスが描いた驚異の王国-おかしなジパング図版帖 -モンタヌスが描いた驚異の王国-
宮田 珠己

パイインターナショナル 2013-04-10
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噂と空想が入り乱れる、フシギの国の挿画

「モンタヌスやその時代の人々の日本情報は、
そんな意外性と荒唐無稽さが横溢して、実に胸躍る、
ありえない世界を現出させていた」。
外国人が想像で描いた、でたらめでほほえましい日本の地図や、
豊満な胸をした女性のブッダ、だぶだぶソデのサムライ、
ラジオ体操おじぎをする日本人たちなど、ユニークすぎる絵図の数々。
「そうして私はなぜか気づくと、自分でこんな本を書くことになっていたのである」(宮田珠己)。

宮田珠己さんに、モンタヌスの魅力を解説していただきました。


鎖国の果てのオカシナオカシナ謎の国日本

大航海時代のアジアのはてに日本が発見されるも
早々と鎖国されてしまい日本という国の情報は
断片的にしか入ってきませんでした。
どんな風俗なの?
どんな風景なの?
どんな宗教なの?
法律や国の体制は?
一番偉い人は誰?
欧州の常識とは違いすぎる文化は
伝聞だけでは少しもリアルに想像できなくて
「大仏っていう日本の神様はなんでか耳たぶが長いらしいぜ」
「日本の神様は犬のような垂れた耳をしているらしいぜ」
「ああ、日本の神様って頭部が犬なんだよな!」
謎が謎を呼び噂が伝言ゲームのように転がり
好奇心が間違いを作り
意味不明で不気味でへんてこりんな日本像が出来上ってしまった。
思わずこの場所に逝ってみたい!と思ってしまう
おもしろ図版集です。

っていうか中国とオランダに聞けよ!!
と言ってしまうのは不粋なのでしょうか。
そういえばオランダは長く日本語辞書を作らなかったらしいので
日本のことはまるでわからなかったらしいですねー。
当時日本に行ったことがある人は少なく
その中でも絵をかける人が実際日本を見た人はほとんどいませんでした。
絵師が来日しても時間がない>とりあえずスケッチだけ>
図版にする時間がない>スケッチを元に別の人に書いてもらう>なんか変
という進化をたどってしまいます。
なぜなのか?奇跡なのか?
われらがモンタヌスは日本を一度もない上
多分アジアどうしで文化が似てるだろうというテキトーな(しかし真剣でもある)
考えでほかのアジアの図版を流用しまくりで
ごちゃまぜのアジアをこれは日本ですと言い切ってしまったのだ。
それだけでも面白い。

図版も面白いんですけど
著者のツッコミでさらに笑える一品。
章タイトルのがもうすでに面白い。
「得体の知れない宗教」とかね。
他アジアの神の流用なのでヒンドゥー教の図版を見たことがある人ならもしかしたら
そんなに笑えないのかもしれない…
見たことないから笑っちゃうよ。
ほんとに得体の知れない宗教だから笑っちゃうよ。
流用の他にも伝言ゲームに失敗した仏像の図版はヤバイです。
耳たぶが大きい>犬のように垂れ下がった耳>頭部は犬である…
ついでにフラプープのような金の輪を加えた変なぞうが誕生した。
そんなもん地球上のどこにも存在しないわ!

モンタヌス以外の図版も収録されており
なんだか可愛い獅子舞、
偶然にも北海道にそっくりな架空の島や
どこにも日本の気配はしないのに
西から北へ湾曲して連なっていることだけは一致してる謎の地図など
見どころ満載。

絵師たちはきっと日本を描くのが苦痛だっただろう。
なにせ情報がすくなく
その情報も理解しがたいものばかりだったはずです。
でも苦痛の中でも未知の世界を描くのは楽しくて
描き終わった時に「やってやったぜ!」と思ったんじゃないかなー
そんな困惑と未知の国に対する希望が伺える
のびのびとした雰囲気が魅力的です。
漫画家どうしがうる覚えで画力対決とかするときの
おもしろさに似ている。

日本人だけこんなに笑っていいのだろうか?
とも思ってしまう。
むしろ私たちの方から「鎖国時代に日本人が海の外の勘違いした文化」集
とか作ってプレゼントしたほうがいいんじゃないか?
とか思ったり。
きっとみんなで楽しくなれる気がする。


posted by 安藤 at 15:04| Comment(0) | TrackBack(0) | パイインターナショナル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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