2013年10月06日

誰の死体?

誰の死体? (創元推理文庫)
誰の死体? (創元推理文庫)ドロシー・L. セイヤーズ Dorothy L. Sayers

東京創元社 1993-09
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実直な建築家が住むフラットの浴室に、
ある朝見知らぬ男の死体が出現した。
場所柄、男は素っ裸で、身につけているものは金縁の鼻眼鏡のみ。
一体これは誰の死体なのか? 卓抜した謎の魅力とウイットに富む会話、
そして、この一作が初登場となる貴族探偵ピーター・ウィムジイ卿。
クリスティと並ぶミステリの女王が贈る、会心の長編第一作!



名探偵の優雅な名推理

まるで前回があったかのように優雅に始まったから
1巻じゃないかと思った。
うっかりやらかしたと思ったら
ちゃんとピーター卿シリーズ1冊目でした。
友人にこれ面白いよ!キャラクターが魅力的だよと言われて読んでみました。
その友人からは「バスター&コマンダー」も借りて読んでみたりもしています。
「バスター&コマンダー」はこう階級とか
当時のイギリスのはよくわからないから混乱するし
船や船上で戦闘が行われるので何が起きているのかわからなくて
余裕で積みました。
安藤はね、おバカちゃんなのです。
いつも読んでる本は大体ラノベだし
戦闘とか魔法ばかりなので船とか無理なのです。
戦闘を立体的に書かれていても読めないのです。
ピーター卿シリーズもまた大体昔の(歴史苦手)イギリスが舞台なので
ちょっとビビっていたのですが
思っていたより2倍は面白かったです。
やっぱりいいねミステリは。誰でも読める。
誰でも驚きと悲しみを味わえる。
それでいて「誰の死体?」は愛も感じられます。
隣人愛、それから自己愛。
自己を愛することもまた愛。
著者のドロシー・セイヤーズは本書を執筆したとき
貧乏だったと解説に書かれていましがそんな事情は全く予想できませんでした。
こんなコミカルな大人、嫌味でいちいちクレームを入れなければ生きていけないような大人、
嵐のような友人についていける懐の広い大人、主人を馬鹿にする使用人、
主人を尊敬する使用人、程よい中の兄弟、
冷たくて自己中で理にかなわないことをしているのにまるで理性的であるかのように振舞う大人、
管理人は貴族やらお偉いさんに出会ったことはないのですが
紳士淑女ダメ人間、あらゆるキャラクターに「あーいるいる」と思える
リアリティのあるキャラクター造形に
ドロシーさんはさぞかし立派な人物なんだろう。
きっとお金持ちの淑女なんだわ。
とおもっていました。
特にピーター卿の母親は秀逸で
女性特有のお喋りで華やかでしかし品がある。
お金持ちだから周囲にもてはやされるだけの女性ではなく
品格があり、そのためにみんなに信頼されている、愛されているということが
ちゃんと描かれていたので
彼女が出てくるたびにホッとするというか。
いい気分になりました。
ステキな人だ。

ピーター卿が事件を楽しみながらも
「探偵行為は、自分はとても下衆なことなのではないだろうか?」
と思い悩む姿は現代の探偵のテーマにも通じます。
こんな昔からあったのか…
探偵行為に思い悩む主人公が新しいと思っていたのですが
なるほど、歴史は繰り返す。
斬新だと思っていたアイディアは実は過去の人が書いていたという。
そんなもんなんですね。

貴族、王族、外国のことはよくわからないので
何とも言えませんが現代にも通じる魅力的なミステリィだと思いました。
やなやつだなーと思っていた人間がいい人だったり。
人間誰しもよくない面を持っていてでもだからって善人ではないと言い切れない、
そんなリアルな人間がよく書けているから
読んでいて面白かったです。
探偵の相棒がいっぱいいるっていうのも面白いww
名探偵ともなると誰しも名助手に出来るのかもしれない。
なんかすごい。

ピーター卿シリーズ、また読んでみたい。





  
posted by 安藤 at 12:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京創元社 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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